奈良時代の郡衙(郡役所)跡で、
東に郡庁・曹司院(馬屋元遺跡)西に正倉院(上野遺跡)があります。

馬屋元遺跡は大小二重の溝が囲み、
10棟以上の掘立柱建物が配置されていて、
政庁・館・厨などを含んだ郡庁・曹司院と考えられています。
上野遺跡は大溝が囲み、
掘立柱建物が10棟以上計画的に配置されています。


掘立柱建物のうち13棟が総柱建物(高床式倉庫)で、
当時の税「米」を収納した「正倉院」と考えられています。

両者の間には官道が南北に延びているようです。
奈良時代の御原郡内にあり、ここから3.5キロには小郡官衙遺跡もあります。
小郡官衙遺跡は7世紀後半から8世紀にかけてのもので、
8世紀中頃になると多量の鉄の矢じりが出土するなど、
軍事的性格を強め郡衙としての性格が変わったようです。
一方、下高橋官衙遺跡では8世紀中頃の出土品が多いことから、
この頃御原郡衙が、小郡官衙遺跡から下高橋官衙遺跡に移転した可能性が考えられています。
※大刀洗町文化財係HP参照
ラベル:大刀洗町