
阿恵官衙跡は今年の3月に国の史跡に指定されたばかり。

飛鳥時代から奈良時代にかけて
今の粕屋郡一帯を治めていた筑前国糟屋評(かすやのこおり)(郡)」。
阿恵官衙跡にはその役所跡。
政庁や正倉が良好な状態で保たれていました。

遺跡からは建物の柱穴の痕跡、
古代の役人が身につけていた木製のクシ、
役所の仕事に使われていた硯などが見つかりました。

698年鋳造とされる京都妙心寺の梵鐘(国宝)には
「糟屋評造(かすやのこおりのみやつこ)舂米連廣國(つきしねのむらじひろくに)」
という名前が記されています。
妙心寺の鐘とよく似ているのが観世音寺の梵鐘。
2つの梵鐘は同一工房で同時期に鋳造されたと考えられています
7世紀、糟屋評の政庁で梵鐘制作の指示にあたっていた廣國氏。
古代官道を馬に乗って、大宰府政庁も訪れたのでしょうか。
歴史資料館を出たあと、阿恵官衙跡を探して行ってみましが、
埋め戻されて草が茂り案内板もないようでした。