上映時間ぎりぎりに映画館に行くと、なんとチケット売り場に長蛇の列。
甘かった!と後悔。
あ〜これじゃとても映画開始までに間に合わない、
と最後尾でがっくりきていると、
「『どろろ』のお客様〜!」というスタッフの声。
「はい!」と手を上げると最後尾から一人だけ閉鎖中の窓口に案内され、チケットを即購入できました。
あの、長蛇の列は「マリー・アントワネット」のお客様だったのね〜。
レディーたちには『どろろ』は不人気なのね…。
で、『どろろ』のスクリーンに入ると、がらがら状態でした。
期待してなかったんです。実は。
原作を夢中になって読んだ者としては配役がミスキャストだとハナから決めてかかっていたし。
ところが!です。
なんて面白かったのでしょう!
153分があっという間。
百鬼丸役の妻夫木クンも、どろろ役の柴咲コウもよかったし、
百鬼丸の体を魔物に渡した父親役の中井貴一も、
子どもを捨てざるを得なかった母親役の原田美枝子も、
まるでブラックジャックのように
百鬼丸の体を作り上げた呪医師の原田芳雄も、
みんなよかった。
今昔物語のような猥雑で魔物が飛び交う妖しく暗い戦乱の世界。
死人のような存在だった百鬼丸は魔物と闘い、
奪われた肉体の一部を一つずつ取り返し、
どろろと触れ合うことによって少しずつ人間性を取り戻していきます。
二人が憎しみを捨て、再生へ向かっていく姿に感動して涙。
最後のシーンで見たことのない海を二人で目の前にするシーンも泣けてきました。
魔物との闘いのシーンは疾走感にあふれ痛快!
家に戻ると庭の隅の物置の奥の段ボールボックスに入っているはずの『どろろ』をゴソゴソと探しました。
「あったー!」。
手塚治虫のこのすばらしき原作ありきこその映画です。
うーん、しばし『どろろ』の世界に耽りましょう。
●どろろ全4巻
差別用語続出で今だったら発行できなかったでしょう…。
気になっていた映画だったので、ありがたいブログです。
コミックの表紙も懐かしい〜♪