デザイン事務所、カラマリ・インクのオフィスを訪ねた。
その場所は道路に面しているのに、スルーしてしまうわかりにくさ。
デザイン事務所だったらモダンなビルがステレオタイプかもしれないが、
カラマリ・インクが選んだ場所はそういうところじゃない。
表から見ると何の変哲もない建物だ。
それが、ガラガラと引き戸を引いた途端、
予想もしない空間が目の前に現れる。

玄関に続く部屋がいきなり茶室だ。
床の間の天井は覗きこなまいと見えないけど、網代だ。

欄間の独創的なデザイン。

竹を割って繰り抜き、そこにもみじを刺している。
変わった欄間だ。
ここをすり抜ければ竹林がありそうな洒脱な感じ。
戦後すぐくらいに建ったらしいこの建物の装飾を手がけた人物は
竹にこだわった。
竹を偏愛した人物だったのか、もしくは竹が手に入りやすい人物だったのか。
謎だ。謎の建物だ。

天井板にも竹が。
すべてを竹にするのではないこの使い方とは? 謎だ。

廊下の天井にも竹が。
居間の欄間もこのとおり。
竹アートが。

もちろん天井も。

廊下の奥の物置のデザインも派手ではないが、手抜きがない。

古いガラス窓。

オフィスは2階にある。

2階の廊下。


オフィスは障子を開けた16畳の広々とした空間だ。
なんて、すてきなオフィスだろう。

3月1日に終了したばかりの九博の「古代日本と百済の交流」展のカタログも
ここから生み出された。
不思議な竹ハウスの住人たちによる
とんがったデザインを
これからも見続けていきたい。
◆カラマリ・インク
http://www.calamariinc.com/about