2016年01月26日

東山彰良『流』

さて、家籠もりせざるを得ない状況となって
読了できた『流(りゅう)』。

流 -
流 -

一言。面白かった!
ミステリーとバイオレンスと現代中国史。
プロローグとエピローグは中国の激動期に惨殺事件が起こった寒村。
最初のプロローグに何のこと?と思われたものが、
最後のエピローグにぐーっと収斂されていく手腕に身震いします。
本編はほとんど台湾が舞台です。
台湾で生まれ育った主人公の青春が描かれます。
順調に育っていたのに、ヤクザな友だちのために軌道をハズレていく主人公。
ヤクザな高校に入り、問題を起こして軍隊に入隊。
幼な馴染みの恋人は体を交えることもなく破局。
まっとうとなり貿易関係の職につき、
新しい恋人と出会うが。。。
うねるような躍動感にあふれた物語。
大陸の抗日戦、そして共産党と国民党との内戦。
主人公の祖父はそんな時代をがむしゃらに暴力的に生き抜き、
台湾へ逃げる。
そして20年もあと、蒋介石が死んた直後に浴槽の中で殺される。
その死の謎を解明するのが主人公。
誰が祖父を殺したのか。
祖父に溺愛されて育った主人公は、長い年月その犯人を追い求める。
まだ台湾から中国に渡れなかった時代、
日本を経由して偽のパスポートで入国し、
祖父の故郷、自らのルーツの国で犯人を見つける。
ときどき怪異な現象も起こる。
窮地に陥ったとき現れる狐火。。。
青春の嵐が吹き荒れる。
無力さにもがき、のたうち、自棄的になり、
それでも前に進んでいく。
傷つきながら、自らをけなしながらも、
涙を流しながらも、
熱い血潮は枯れることはない。
第二次世界大戦直後の中国、そして台湾に触れることができる
小説。
おすすめです。
ラベル:東山
posted by 理乃 at 14:01| Comment(0) | ★図書室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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