オブリ家(カナさんの一族)の人々はカナさんのお父さんの喜吉さんのお墓参りをしました。
オオシマゼミが鳴く墓地、
そのお墓は沖縄特有の形をしていました。
カナさんは喜吉さんのお墓の前で祈っていました。
あとで聞いたのですが、
この時、カナさんが喜吉さんに語りかけると、
喜吉さんは背を向けたそうです。
そして悪いことが起こるけど、それは心配しなくていいと言ったというのです。
カナさんの妹のオディルは涙が止まらず、
おじいさんのお墓に取りすがっていて、
その姿を見て、わたしたちも胸がいっぱいになりました。
戦争で引き離された家族。
生きて会うことは叶わなかったカナさんと喜吉さん。
喜吉さんの魂はここにあり、今でも娘のことを心配しているのでしょうか。
わたしは沖縄の人々とニューカレドニアの人々の家族を思う強い気持ちを感じていました。