2007年06月10日

小野不由美の「東亰異聞」

小学生のころ、
学校の図書館で江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを
わくわくしながら読みました。
そんなわくわく感に近い読書の楽しみを味わわせてくれたのが
小野不由美の「東亰(とうけい)異聞」。
  ↓
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=10GDGT+53DJ3M+5WS+C28PV&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F1057537%2F

彼女の「屍鬼」を読んで、
扉に書かれていた「To’Salem’s Lot(セイラムズロット)」が
スティーブン・キングの「呪われた町(’Salem’s Lot)」の原題で、
それにインスピレーションを受けて書かれた物語であったと知り、
早速「呪われた町」も読んでみましたが、
「屍鬼」はこの原作を超えたと、
再び小野不由美に戻りました。

時代は明治。
でも舞台は東京でなくて埋立て地の東亰。
これはパラレルワールドなのです。

人を高所から突き落とし、全身火だるまになって姿を消す火炎魔人。
夜道で鋭利な鉤爪を使って人を斬る赤姫姿の闇御前。
はたまた人魂売りやら首遣いだのが跋扈する東亰。
新聞記者の平河は火炎魔人と闇御前が起こす殺人事件を追ううちに、
その原因が元摂関家の鷹司(たかつかさ)家の跡継問題に端を発しているのではと推理します。

東亰に魑魅魍魎が跋扈し出したのは法力によってそれを制していた天皇の病気のためという設定。
摂関家の跡継ぎという運命に翻弄される兄弟と、それを取り巻く人々。
鷹司家の長男、直煕(なおひろ)が一番気になる登場人物です。
跡継ぎになることなど眼目にない人物で、
自由民権運動に足を突っ込みながら、
対外進出を図る民権論者たちに愛想をつかし、
平等などない世の中に絶望する直煕。

やがて魑魅魍魎によって操られた人々は哀しい運命を辿っていくのです…。

雨降りの日にはこんな伝奇物でも読んでみませんか?
posted by 理乃 at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ★図書室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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