2006年の作品です。
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黒祠とは…。
明治政府が行った祭政一致政策により全国の神社は社格制度のもとに統合され、国家の施設とされた。
この統合に与しないものは迷信として弾圧された。
「黒祠」とは統合されなかった神社。いわゆる邪教。
舞台は九州北西部にある夜叉島。
夜叉島には神霊神社という神社があり、宮司は神領家の分家が務める。
主神は「カンチ」。
祀られている神像は馬頭夜叉。
昔、村人を喰らっていた鬼を旅の行者が鎮め、祀ったのが起源という。
その馬頭夜叉を鎮める守護は神領家の三男もしくは長女。
守護は蔵座敷に幽閉され外出もできない。
調査事務所を営む式部剛は、仕事を依頼されていた仲の作家、葛木志保が行方不明になったため、葛木の故郷の夜叉島を訪れる。
ところが閉鎖的な村人の口は固く、葛木の行方は一向に知れない。
その後、村の医師、泰田の協力を得、葛木が死んだと知らされる。
葛木は殺されたというのに真相を隠そうとする島の人々。
島を牛耳る神領家にはなにやら曰くが…。
この人の小説はいつも登場人物が多い。
こんなに多くの人々をよくぞ描き分けると感心する。
また邪教を題材に選ぶなど、ミステリー作家として独得のセンスを持っていると思う。
好き嫌いはあると思うけど、ハマる人も多いでしょう。
◎本日の読売新聞にホラーとして小野不由美の「屍鬼」がちょっとだけ紹介されてました。(写真入り。p11)