この火は第二次世界大戦時に星野村から広島に出征していた故山本達雄さん(2004年死去)が持ち帰ったものです。
山本さんは戦時下に入隊し、
駐屯地から毎日汽車に乗って広島の司令部に通って伝達をもらってきていました。
市街地には山本さんの叔父さんが書店を営んでいました。
早くに父親を亡くした山本さんにとっては親代わりの優しいおじさんでした。
8日6日も山本さんは汽車に乗っていました。
その車内にいたときに原爆が落とされたのです。
横倒しになった汽車から這い出した山本さんは、
叔父さんを心配し、中心部へ向かいます。
そこは地獄でした…。
8月15日、終戦となり、山本さんは星野村へ帰る前に叔父さんを探します。
やっと書店の看板を見つけ地下の倉庫に入ります。
倉庫の本は灰になっていましたが、
小さなおき火が炎を上げたので、
出征のときにおばあさんが渡してくれた懐炉にその火を移して、
故郷に持ち帰ったのです。
そして今では村がこの火を守っています。
この絵本にはこのいきさつが分かりやすく描かれています。
涙なしには読めませんが、
戦争を知らない世代に伝えたい一冊です。
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