2007年12月09日

映画「あかね空」

大野城市の「まどかぴあ」ではたまに300円で見られる映画を上映していて、
市民ではないのですが、
よく拝見させていただいています。

そこで12月8日に上映されていたのが、
「あかね空」。
あんまり期待せずに見に行ったのによかった!
何度も涙が出ました。

江戸を見せてもらいました。
人が行き交う永代橋。
下町の長屋の人々の暮らし。
冒頭、浮世絵が出てきて、
そこに描かれる江戸そのものが生きた映像として流れ、
それはもう感動です。

主人公は京都から江戸に豆腐屋を出すためにやってきた永吉。
これが真面目一方の職人で、いいのです。
演じたのは内野聖陽。
この役者さん、いいですねえ!ファンです。
一生懸命、仕込まれた豆腐を作る職人気質。
江戸で出会ったのがちゃきちゃき元気な江戸娘おふみ。
演じているのは中谷美紀なのですが、
これも今まで見た中谷美紀演じる人物の中で一番かわいいと思いました。

京都の豆腐は固い豆腐に慣れた江戸っ子の口に合わず、
永吉の豆腐は売れ残ってしまいます。
でも、永吉は自らの豆腐作りを変えない。
ただひたすら真面目に豆腐を作り続ける永吉を応援したのは
近くの老舗豆腐屋の女将、おしの。
おしのは昔息子と生き別れ、その子の面影を永吉に見て、
永吉を応援することが息子への功徳になると思ったのです。
一目会ったときから永吉に魅かれたおふみも、
身内のように彼を心配し、やがて結婚します。

月日は流れ、永吉の商売は軌道に乗り、
三人の子どもにも恵まれます。
でも一番上の息子栄太郎だけが、わけあって我がままに育ち、
店を乗っ取ろうと計画する同業の平田屋にまるめこまれ
賭博場に出入りするうちに、借金を重ねます。
そうするうちに永吉が武士の早馬に跳ねられ事故死するという悲劇が訪れます。
栄太郎の借金の形に店はずるがしこい平田屋に取られることになり、
おふみは栄太郎の不始末をそのまま被り、
潔く平田屋に豆腐屋を渡す決心をします。
永吉の真心を込めた豆腐の味に
平田屋などに負けない誇りを持っていたのです。

そこで事態をひっくり返して一家を救うのが賭場を仕切る大親分の傳蔵。
傳蔵にはそうさせる過去がありました。
実はこの暗くて凄みのある恐〜い親分も内野聖陽が演じているんです。
すごい。この演じ分け。

江戸の町でひたむきに生きる豆腐屋一家。
そんな市井の人々を愛を込めて描いたのは山本一力の原作(直木賞受賞)。
脚本を書いたのが篠田正浩。
監督は篠田の助監督をしていた浜本正機。

江戸の町の豆腐職人の家から香る大豆の香り。
ただひたむきによい豆腐を作り続けた真面目な職人。
そしてそんな彼を支える周りの人々。
そんな愛すべき江戸の庶民たちを見たくなったらぜひ見てほしい感動作です。
江戸がここにあります。




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2007年09月05日

「ベクシル」

見てきちゃいました!
「ベクシル」!
面白かった〜!

レディースデイで観客3人でした(-。-)…。

宮崎アニメとか、ソフトなアニメと違ってハード系なので、
苦手な人もいるかな…。
でもこれは面白い。
期待以上でした。

2077年。
日本は鎖国をして10年。
大和重鋼というハイテク企業が牛耳っている。
アメリカの特殊部隊が磁気シールドに閉ざされ、
何も情報が入らない日本に潜入する。
特殊部隊の兵士の一人が主人公のべクシル。
何とか潜入に成功した日本の姿は
戦慄を覚えるものだった。
たった一人のマッドサイエンティストが
未来を変えてしまう恐ろしさ。
SFの永遠のテーマ。

最初から最後まで息をつかせぬスピードで展開していきます。
驚きのテクノロジー。
日本の荒野に出てくるかつて人であった化け物は、
記憶は薄れてしまってますが「砂の惑星」のウォームに似ている気がしました。
それと、ベクシルと日本人のマリアのキャラクターが似すぎている。
そういう不満は置いといて、
磁気シールドや、兵士が着るファイタースーツやロボット兵器など、
映像がものすごくて、ものすごくて…。

暗澹たる未来がここにあります。
こういう未来もあるのかもしれない。
それをさせない人類の叡智を信じるしかないのでしょうか…。

いやあ、おすすめのアニメです。

※監督は「ピンポン」の曽利文彦
ラベル:ベクシル
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2007年07月23日

憑神

映画「憑神」を見ました。
とっても面白かったです。

貧乏神、疫病神、死神という神様たちが出てくる映画。だけど抱腹絶倒。

幕末。
妻夫木聡演じる別所彦四郎はツイてません。
武家に生まれでも次男。
武家といっても貧乏な影武者の家系。
裕福な他家へ婿養子に入ったものの離縁され、
実家に出戻り。
不運だから神頼みでも、と拝んだ先が間違いのもと。
貧乏神、疫病神、死神が祀られた神社だったのです。

やがて訪れた神様は予想外のイメージ。
貧乏神は福々しい西田敏行之。
続く神様も意外です。

貧乏神、厄病神は人に押し付け、何とか難を逃れたものの、
死神は押し付けるわけにもいきません。
彦四郎は正しい武士ゆえ死神は引き受ける決意をします…。
死神と出会って以来、死と向き合うようになった彦四郎はどう生きればいいのかを逆に考えます。
そして言った言葉「人は志のために死ぬことができる」が印象に残ります。
これ以上かくとネタバレになりますが、
武士という生き方を貫いた彦四郎は純粋だと思うのですが、
エルザとしては別所の家の不埒な長男が見逃せません。
彼は主君のために尽くして死ぬなどということはしない人間だからです。

映画が面白かったので(いろんな役者が好演しています)、
早速原作(浅田次郎)を読んでみたのですが、
これは映画(監督:降旗康男)の方が面白かったな。
なんといっても妻夫木君が純粋な彦四郎を生き生きと演じてますから。

憑神憑神
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 憑神
[著者] 浅田 次郎
[種類] 文庫
[発売日] 2007-04
[出版社] 新潮社

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2007年03月13日

映画「パフューム〜ある人殺しの物語〜」

「パフューム〜ある人殺しの物語〜」(トム・ティクヴァ監督)を見ました。
18世紀の悪臭に満ちたパリをさまよいたくて。
貴族には暮らしよくても、貧しき人々には悲惨極まる時代(それは今も変わりないか)。
そんな時代に魚売りの母親に売場の片隅で産み落とされ捨てられた主人公ジャン=バティスト・グルヌイユ。

すべてはここに集約されると思います。
母親に愛されなかったグルヌイユ。
だから彼は母親の匂いを生涯追い求め続けたのだと思います。
ただ彼は天才だった。
犬のように鋭い嗅覚の持ち主だった(ちょっとこれはありえないですけど…)。
常人と異なる才能が、またもや彼を人から遠ざける。
天才としての悲劇もまた二重に背負うのです。

孤児院の女主人から皮なめし職人の元に売られた彼はそこで黙々と働きます。
ある日、彼を魅惑する香りの持ち主の赤毛の女に出会い、静かにさせようと口を押さえるうちに誤って死なせてしまいます。
彼女の香りを留めておきたいと願った彼は香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマンが演じてますよ)の元に弟子入りすることになります。
人々を魅惑する香りを調合し才能を発揮するグルヌイユ。
しかし彼の目的は普通の香水を調合することではありませんでした。

舞台は香水の街グラースへ移ります。
そこで殺人が展開され、
ついに彼の所業であることが暴かれ、
処刑のときを迎えます。
そしてラスト。
このラストはー、…納得できないです…(映画を見てご確認を)。
前半よくて後半?の映画でした。

グラースの街で彼が出会った第二の赤毛の女を演じるレイチェル・ハード=ウッドが清らかで美しい。
演じたとき15歳だというのですから。
またグルヌイユという難しい役を演じたベン・ウィショーは適役だったと思います。

原作は1985年のベストセラー、パトリック・ジュースキントの「香水-ある人殺しの物語」です。

香水―ある人殺しの物語香水―ある人殺しの物語
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 香水―ある人殺しの物語
[著者] パトリック ジュースキント
[種類] 文庫
[発売日] 2003-06
[出版社] 文藝春秋

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ラベル:パフューム
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2007年03月02日

映画「マリー・アントワネット」

ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アンワネット』を見ました。
70年代〜80年代のポップミュージックを使ったことと、
スイーツやファッションのガーリッシュなイメージが先行して、
きらびやかなだけの映画かと勘違いしていました。
この映画は、これまで誤解してきた浪費家で浮気なマリー・アントワネットのイメージを払拭させるものでした。

政略結婚のためにわずか14歳でフランスに赴いた少女。
フランスの国土を踏み、オーストリアに別れを告げるマリーは心細さに必死に耐える少女でした。
相手のルイ16世だって15歳の子ども。
王妃となったときもまだ18歳のティーンエイジャーです。

彼女の仕事は世継ぎを産むこと。
結婚後7年も子どもが生まれずマリーは苦しみます。
マリーのぜいたくは世継ぎを産めないことのストレスの発散だったのです。
有名なフェルゼン伯爵との恋もありますが、
あくまでマリーはフランス王妃という自分の立場を放棄することはありませんでした。
マリーに対する憎悪を募らせた民衆に襲撃され、
絞首刑にかけられるまで。

キルスティン・ダンストは少女のマリーから毅然とした王妃に成長するマリーを実に魅力的に演じています。
映画を見たあと、きっとマリー・アントワネットが好きになっていることと思います。

オマケ情報ですが、びっくりしたのはマリーの母親のマリア・テレジアを演じていたのがマリアンヌ・フェイスフルだったこと!
あのミック・ジャガーの恋人で60年代のアイドルだったマリアンヌ。
やがて麻薬に溺れ身を持ち崩していったマリアンヌがカムバックして歌っていたことは知ってましたが、
それがなんと女帝マリア・テレジアを演じていたのですから。
貴族の血を引くマリアンヌの人生もスキャンダラスなものでしたが、こうやって復活しているのを見ると感慨深いものがあります。
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2007年02月19日

『ジョゼと虎と魚たち』

田辺聖子で思い出すのは数年前に見た忘れられない映画『ジョゼと虎と魚たち』(犬童一心監督)。
この映画の原作を書いたということで印象に残っていました。

足が不自由で家に閉じこもっていて、いつも本を読んでいる女の子、ジョゼ(池脇千鶴)と、ごく普通の大学生、恒夫(妻夫木聡)のラブストーリー。

ジョゼの祖母は歩けない孫娘を世間から隠していました。
ジョゼを毛布をかぶせた乳母車に乗せて散歩に連れ出す祖母。
恒夫が中をのぞくと、そこには包丁を振り回すジョゼ。
衝撃的な出会いです。

貧しい暮らしを余儀なくされているものの、ジョゼは捨てられた本を読んで豊かな知識を持っています。
ジョゼという名もフランソワーズ・サガンの小説から取ったもの。

車椅子さえ与えられていないジョゼは台所の椅子に腰掛けて料理を作ります。作り終えるとそこから一気にジャンプして床に飛び降りるのです。

池脇千鶴が演じた繊細でいながら強靭なジョゼのキャラクターが、とにかく魅力的。
やがて祖母は亡くなり、愛し合うようになる二人。
けれど、破局が訪れます。
それはきっと普通でありすぎる恒夫に、ジョゼは背負いきれなかったから。
しょうがないヤツと思いながら、これもまた妻夫木君の好演で憎めないキャラになってます。
「別れても友だちでいられる女の子と、二度と会えない女の子がいる。ジョゼとは二度と会うことはないだろう」という恒夫の気持ち。
切なすぎて泣けてきます。

一人になったジョゼは電動車椅子に乗って自活し始めます。
ジョゼの方は恋愛を経て、外の世界で生きていけるほど大きく成長したのです。


posted by 理乃 at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ★CINEMA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月08日

『どろろ』

レディースデイに合わせて映画を見ることにしました。
上映時間ぎりぎりに映画館に行くと、なんとチケット売り場に長蛇の列。
甘かった!と後悔。
あ〜これじゃとても映画開始までに間に合わない、
と最後尾でがっくりきていると、
「『どろろ』のお客様〜!」というスタッフの声。
「はい!」と手を上げると最後尾から一人だけ閉鎖中の窓口に案内され、チケットを即購入できました。
あの、長蛇の列は「マリー・アントワネット」のお客様だったのね〜。
レディーたちには『どろろ』は不人気なのね…。
で、『どろろ』のスクリーンに入ると、がらがら状態でした。

期待してなかったんです。実は。
原作を夢中になって読んだ者としては配役がミスキャストだとハナから決めてかかっていたし。
ところが!です。
なんて面白かったのでしょう!
153分があっという間。

百鬼丸役の妻夫木クンも、どろろ役の柴咲コウもよかったし、
百鬼丸の体を魔物に渡した父親役の中井貴一も、
子どもを捨てざるを得なかった母親役の原田美枝子も、
まるでブラックジャックのように
百鬼丸の体を作り上げた呪医師の原田芳雄も、
みんなよかった。

今昔物語のような猥雑で魔物が飛び交う妖しく暗い戦乱の世界。
死人のような存在だった百鬼丸は魔物と闘い、
奪われた肉体の一部を一つずつ取り返し、
どろろと触れ合うことによって少しずつ人間性を取り戻していきます。

二人が憎しみを捨て、再生へ向かっていく姿に感動して涙。
最後のシーンで見たことのない海を二人で目の前にするシーンも泣けてきました。
魔物との闘いのシーンは疾走感にあふれ痛快!

家に戻ると庭の隅の物置の奥の段ボールボックスに入っているはずの『どろろ』をゴソゴソと探しました。
「あったー!」。
手塚治虫のこのすばらしき原作ありきこその映画です。
うーん、しばし『どろろ』の世界に耽りましょう。

●どろろ全4巻












差別用語続出で今だったら発行できなかったでしょう…。
ラベル:手塚治虫 どろろ
posted by 理乃 at 11:33| Comment(1) | TrackBack(0) | ★CINEMA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

映画「硫黄島からの手紙」

今年、一番心に残る素晴らしい映画を見ました。
「硫黄島からの手紙」です。

大平洋戦争の激戦地というくらいのことしか知らず、その位置さえよく分かっていなかった硫黄島。
この一編の映画は、そこで起こった悲惨な出来事を、よく理解できるように描いてくれました。

端に山を抱えた独特の形状をした洋上の孤島、硫黄島。
本土防衛の砦としての島を死守するために送られてきたのは栗林中将(渡辺謙)。頭の固い古参の将校たちに反して、島の地下に要塞を掘るという計画を実行する軍人としては異端者の栗林。

アメリカ帰りのエリート、栗林とともに映画の柱となるのが一兵卒の西郷(二宮和也)。「こんな戦争やってられないよ」と、どこか現代の若者に通じる醒めた視線の西郷がいい。

戦争とは勝ち負けではない。軍人にも上下隔たりはない。ただ戦争の愚かさを描こうとしたクリント・イ−ストウッドの公平な視点に敬意を表します。

今まで戦争の体験者はもっと多くを語ってほしいと願ってきましたが、生き残って戻ってきた人には、あんな恐ろしい体験は口になんてできないと思い直しました。だからこそ、映画が代弁することが大事で、このような映画が作られたことを喜びたい。

クリント・イ−ストウッドは良心の監督として、わたしの心に深く刻みこまれました。

レイトショーを見ましたが、壁際の席しか取れなかったほどの盛況ぶり。年齢を重ねた方の方が多いのではと思いきや、若い人でいっぱい。日本の若者も捨てたものじゃないじゃないと、うれしかったです。
まだ見てない方、ぜひ劇場へ。
ラベル:映画 硫黄島
posted by 理乃 at 14:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ★CINEMA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月30日

「デスノート the Last name」

ちょっとしたなりゆきで映画「デスノート」前編を見たため、後編も見ることに。
あまり期待していなかったけど、けっこう面白かったです。
漫画ではLの死が納得いかなかったけど、映画は納得できる終わり方。
夜神月役の藤原竜也は後編も熱演。
死神レム役の声がいいと思っていたら池畑慎之介でした。
Lが甘い物を過食するのは親の愛に恵まれなかった淋しさからなんですね、きっと。
ミサミサに恋して死んでしまった死神ジェラスのキャラがかわいい。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの音楽もなかなか。

■「デスノート the Last name」 主題歌
スノースノー
販売元 : Amazon.co.jp 音楽
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[タイトル] スノー
[アーティスト] レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
[レーベル] ワーナーミュージック・ジャパン
[種類] CD

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posted by 理乃 at 13:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ★CINEMA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする