2017年04月05日

薮内(やぶうち)正幸 『海にすむ動物たち』

動物画というジャンルに注目したことはなかった。
薮内正幸(1940 - 2000)は子どものころから動物が好きで、
独学で動物の絵を描いていた。
高卒後、福音館書で図鑑や絵本の絵を担当。のちフリーへ。
どこかできっと見ているけど、
描いた人を気にすることもなかった。
山梨には日本で唯一の動物画専門の美術館、
薮内正幸美術館があるそうだ。

海にすむ動物たち―日本の哺乳類〈2〉 (絵本図鑑シリーズ) -
海にすむ動物たち―日本の哺乳類〈2〉 (絵本図鑑シリーズ) -
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2016年01月24日

『おねえちゃんは、どこ?』

大型絵本 おねえちゃんは、どこ? -
大型絵本 おねえちゃんは、どこ? -

これは絵を楽しめる絵本。
スウェーデンの作家、スヴェン・ノルドクヴィストの絵が独創的で面白いです。
お話は姿が見えないねずみのお姉ちゃんを
弟がおじいちゃんと梨の気球に乗って探すというたあいもないもの。
お姉ちゃんはページのどこかに小さく描かれていて、
どこにいるのか探すのにも夢中になってしまいます。
彼の描く世界はものの大きさが常識通りではありません。
かえると人間が同じサイズだったり、同じ人間でも巨人がいたり小人がいたり。
風景もとても魅力的。緑織りなす田園、滝が滑り落ちる断崖絶壁に
建てられた住居、そこへ至る枝で支えられた木の橋、
植物になるラッパ、家よりも巨大なきのこ、
人よりも大きな玉子、首の長い昆虫。
鎧を着たかたつむりに乗る甲冑の兵士。
そのイメジネーションの豊かさに、きっとこどもたちは絡め取られます。
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2016年01月18日

絵本*・。*・。*・ 島崎藤村『初恋』

初恋 (声にだすことばえほん) -
初恋 (声にだすことばえほん) -

誰でも知っている藤村の「初恋」。
この絵本は短い「初恋」の詩だけを一冊にしています。
和紙をコラージュしたりして、初恋の新鮮な心象風景を表わしています。
「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき」
本当に美しい日本語。
白い手を差し伸べて林檎をくれた初恋の人。
自分の溜息が彼女の髪にかかるほど近くにいた人。
逢引のために林檎の木の下にできた細道。
それは誰が作ったの?と無邪気に言った人。
でもそれは淡い思い出。
早春にふさわしい絵本。
美しい言葉を思い出すのにふさわしい絵本。
今、初恋のさなかにあるなら心が萌え、
過ぎ去った初恋を思い出すなら
胸がしばし苦しくなるでしょう。
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2015年12月28日

マイフェイバリット絵本*・。*・。*・。『やこうれっしゃ』

今年最後の病院は、今まで見た中で一番人が多かったです(ー。ー)
でも大丈夫。小脇にまどかぴあで借りた本を3冊抱えています。
よい絵本に巡り合いたいと、機会あれば物色してますが、
やっと出合えました。
すてき! この絵本は。

やこうれっしゃ (こどものとも傑作集) -
やこうれっしゃ (こどものとも傑作集) -

1970年代以前の夜行列車。
夜行列車に乗ったことのある人には、このノスタルジーはたまりません。
ページをめくるごとに乗客と同じ体験ができるようになっています。
人でごった返す駅から始まります。
列車の案内は今のようなデジタル表示ではなく、
駅員さんがホーローのプレートを掛け替えます。
乗客は夜行列車が止まっているホームに着きます。
荷物車に係員が荷物を積み込んでいます。
乗り込む前に雑誌やら、ネット入りみかんなどを買う人もいます。
1号車の入り口には、別れを惜しむ夫婦なのか、恋人なのか
軽く女性を胸に抱く男性も。。。
乗客が乗り込むと走り出す列車。
自由席では新聞を読んだり、弁当を広げたり、トランプをしたり、
ビールを飲んだり、四人向かいあわせの席で、
それぞれ過ごす様子が実に生き生きと描かれます。
夜も更けると、寝台車ではカーテンが引かれ、
眠りにつく人々。
真夜中、一時停車した駅に休憩で降り立つ人の息は白くなっています。
おいしょっと腰を伸ばす男性も。
自由席で眠る人は窮屈そう。
向かい合った反対側に足を伸ばしたり、掛けたコートの中に頭を隠したり、
ブーツを脱いでいたり。。。
そうそう、こうだったと経験者はとても懐かしい。
寝静まった寝台車では席から出て困り顔で赤ちゃんをあやすお母さんも。。。
列車はガタゴトスピードを上げ、外には雪が降りしきります。
グリーン車では足を伸ばして眠る紳士も。
朝になり目を覚ます人々。葉巻をくゆらすおじいさん。
寝台車の上の段からはしごを使って下りてくる人々。
あくびをする子ども。ネクタイを締める男性。
さあ、到着。
あかちゃんをおぶってねんねこを着るお母さん。
ホームに降り立つ乗客たち。
お迎えのおばあさんは、ねんねこにくるまれた赤ちゃんを見て微笑みます。
下駄を履いたおぼうさんも風呂敷をからったおばあさんも降りていきます。
さあ、出口。赤い公衆電話で電話している人は今着いたと言っているのでしょうか。
金沢から上野まで走った夜行列車の人間図を温かい眼差しと、
素晴らしい観察力で描いたのは絵本作家の西村繁男さん。
絵がとてもいい!
一遍で大好きになりました。
大人にもおすすめの一冊です。
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2015年12月24日

『ボタ山であそんだころ』

太宰府の素晴らしい絵本専門店『あっぷっぷ』。

DSC_1057-2.jpg

わたしはこの書店で絵本を選ぶ時間がとっても好き。
機会を得てプレゼント用の絵本を選びました。
ソファに座って、ちゃんと初めから最後まで読みます。
『ボタ山であそんだころ』は良質の絵本。

DSC_1052-2.jpg

筑豊に炭鉱があったころ、ボタ山の近くに住む小学生が主人公です。
石炭のにおいがしてくるように、炭鉱とともにあった暮らしが目の前に広がります。
そこに暮らす子どもたちが実に生き生きと描かれています。
それは作者が実際に体験したことだから。
自分より貧しい家庭の子どもをなんとなく差別する子どもの社会。
学校で使う定規すら買ってもらえない炭住の子ども。
でも子どもたちは元気に遊びます。
そして炭鉱につきものの事故が起きて、
親をなくした子どもはどこかへ行ってしまいます。
暗いストーリーのはずなのに、読後に清涼感が残るのは
作者がかつての時代を愛しているから。
そして厳しい生活の中でも、たくましく生きる子どものちからを信じているから。
与えられた運命はどうしようもない。
今ある生活を愛し、その中で懸命に生きていく人々。
この絵本は大人にも勇気を与えます。
失われゆく炭鉱の記憶。
かつて日本にあり、そして今でも変わらない貧しき者の暮らし。
大切な一冊です。

さて、追加情報です。

DSC_1059.JPG

『あっぷっぷ』では毎年恒例となった昔話研究家、小澤俊夫さんの講演会が開かれます。
言わずとしれた小澤征爾のお兄さんで、オザケンのパパ。
その温かい人柄に接するのを毎年楽しみにしています。
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2012年01月18日

「ラプンツェル」

とても疲れた日のなぐさめの一つは絵本。

大人の読者にもいいっていう絵本を見つけます。

目に飛び込んできたのは水口理恵子が挿絵を書いた「ラプンツェル」。
余計な色がないセピアで統一された絵がきれいです。

ラプンツェル―グリム童話 (おはなしのたからばこ 16) [大型本] / 内田 也哉子 (著); 水口 理恵子 (イラスト); フェリシモ出版 (刊)

「ラプンツェル」は、本当は子ども向けではないようなお話。
だって塔に閉じ込められたラプンツェルは夜ごと王子を塔に招き入れて妊娠してしまうのだもの。

内田也哉子の文では、そういう場面はぼかしてはいるものの挿入されています。

けれど、それだってラプンツェルは閉ざされた場所で
いつか来る王子を待つだけ。
妖しく長い髪を垂らして…。

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2011年09月12日

『もりのおばけ』

かたやまけんは、昔から大好きな絵本作家。
独特の鉛筆画の世界が好き。

これは初期の作品。
小さな男の子が主人公。

弟と森に散歩に行くぼく。
頭でっかちで、つぶらな大きな瞳がかわいい。
元気なおにいちゃんは弟を置いて
一人ぴゅうっと森の奥に行ってしまう。
でも、ちょっとこわくなって不安になる。。。
ついにお化けが出てきて。。。泣きそう。。。
勇んで誰もいないところに行ったものの、
こわくなる男の子の気持ち。。。
このお化けの絵がいいの!
はりせんぼんに木の枝の鼻がついたのや、
いもむしみたいのとか。
でも、みんなどこかユーモラス。
お化けというより森の妖精みたい。
どきどきしながら隠れていると、
弟が追いついて、
二人で手をつないでおうちへ帰るっていうおはなし。

こどもたちの小さな冒険。
小さなときしかできない冒険。
こどもたちよ、冒険なさい!

もりのおばけ (こどものとも絵本) [単行本] / かたやまけん (著); 福音館書店 (刊)
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2009年10月12日

新美南吉の『花のき村と盗人たち』。

新美南吉のお話が大好きです。
わずか29歳で結核で亡くなってしまった児童文学者。
代表作は『ごん狐』。

今回、読んだのは 『花のき村と盗人たち』。
盗人が主人公です。

花のき村に5人の盗人がやってきます。
お頭は本物の盗人。
ほかの4人は新米です。
お頭は4人に盗みの下見に行かせます。
その間にお頭は子牛を連れた少年に出会います。
少年は遊びたいので子牛を預かってほしいと言います。
少年の子牛を預かっているうちに、
お頭は泣けてきます。
これまで人に信用されたことがなかったのです。

遊びにいったきり、なかなか帰ってこない少年。
お頭はどうしても少年に子牛を返したくて、
村役場に行ってみます。
そしてそこでも村役人は盗人を信用してご馳走をしてくれたのです。

人を信じることの美しさ、
人から信じられることの幸せを
このお話は伝えてくれます。

おまけに、さいとうよしみの絵がまたいいのです。
キャラクターがとても個性的。
お頭といったら、いかにも盗人然としてるし、
そして花のき村の自然が素晴らしく描かれています。



花のき村と盗人たち (新美南吉名作絵本)

花のき村と盗人たち (新美南吉名作絵本)

  • 作者: 新美 南吉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 大型本



ラベル:新美南吉 絵本
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2009年09月19日

賢治さんの『シグナルとシグナレス』

たまに絵本を読みます。

最近読んだのは宮沢賢治の『シグナルとシグナレス』。
賢治のお話は、こうやって絵本で読むことが多いです。

疲れたとき、
寝転がって読むのが好きです。

わたしは美しい日本語の使い手として
賢治さんをとても愛しているのです。

『シグナルとシグナレス』は恋の物語。

シグナルは本線の新式信号機。
シグナレスは軽便(けいべん)鉄道の木製信号機。
身分の差があるというわけです。
信号機を主人公にするだなんて、ちょっと考えつきませんよね。

シグナルは楚々としたシグナレスに恋をして
猛烈にアタックして結婚を申し込みますが、
シグナルに仕える電信柱に反対されます。
二人の恋に理解を示すのは倉庫の屋根。
まったく賢治さんの手にかかると、
何でも童話になってしまいます。

「とうとう、僕たち二人きりですね」
「まあ、青白い火が燃えてますわ。
まあ地面も海も。
けど熱くないわ」
「ここは空ですよ」

賢治さんが空を表現すると青白い火となります。
ああ、なんてすてきなんでしょう。

さあ、わたしも青白い火の下へ出かけることにいたします。




シグナルとシグナレス (画本 宮沢賢治)

シグナルとシグナレス (画本 宮沢賢治)

  • 作者: 宮沢 賢治
  • 出版社/メーカー: パロル舎
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 大型本



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2008年07月07日

画集のような絵本「終わらない夜」




本日は絵本をご紹介します。

暑くてどこにも行きたくないときに
読みたい絵本です。

これはカナダの画家ロブ・ゴンサルヴェスの絵に
セーラ・L・トムソンが詩を添えたもの。

とても絵がきれいでユニーク。
シュールレアリズムです。
風景が変容するのです。
表紙は夜の川。
針葉樹が川面に映っています。
その逆さまの針葉樹の樹と樹の隙間が少しずつ女性に変化し、
彼女はやがてランプを持って陸へと上がってきます。

ロブは風景を見ていると、
別のものを連想するシュールレアリスト。

ページをめくるたびに、
ロブのシュールな世界が広がります。

緑のキルトのベッドカバーは田園に…。
向日葵は黄金の髪を持つ女性に…。
床板はいつしか森林へ…。

カナダの自然、
それも多くは夜が描かれているので、
涼しい気持ちになれます。
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2007年08月10日

絵本「おしいれのぼうけん」

イマドキのおうちはクローゼットで、
押入れがないところもあるかもしれないけど、
これは押入れのお話です。

「おしいれのぼうけん」
古田足日・田畑精一作
   ↓
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=10GDGT+53DJ3M+5WS+C28PV&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F249193%2F

とにかく鉛筆で描かれた子どもたちの姿が
やんちゃで、かわいくて、かわいくて…。
元気で聞かん坊の子どもたちが実に生き生きと描かれています。

田畑精一さんの描く子どもたちはのびのびと動き回ります。
追いかけっこして、ジャングルジムによじ登って、
髪を逆立ててブランコをこいで。
子どもは活発に遊ぶのが一番。
そんな元気いっぱいの子どもたちの姿が見られる、ほほえましい絵本です。

舞台はさくら保育園。
みずの先生は給食やお昼寝の時間にさわいで、
注意しても静かにしない子は罰として押し入れに入れます。

その日、昼寝の時間に暴れたさとし君とあきら君は
押入れに入れられてしまいます。
なかなか「ごめんなさい」を言わない二人は長い時間押入れにいることになり、
持っていたミニカーとミニ蒸気機関車で
想像の世界へ旅立ちます。

そこで待ち受けていたのはみずの先生たちがしてくれる人形劇の登場人物ねずみばあさんでした。
ねずみばあさんはお供のねずみたちを二人に飛びかからせます。
二人は森の中を、トンネルの中を、高速道路の上を、
下水道を走って逃げます。
助けてくれたのは大きく変身したミニカーとミニ蒸気機関車。
冒険に疲れた二人はついに押入れでうとうと…。

遠い日の子ども時代、
誰もが押入れの中で遊んだ経験があるのではないでしょうか?
そしていつの間にか疲れて眠ってしまったことも?

家の中にありながら、
子どもだけが入れるいつもと違う空間。
押入れは子どもの想像力を育む場所なのかもしれませんね。
ラベル:絵本
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2007年08月09日

絵本:世界最初の恐竜公園を作った男の物語…「ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜」

第1回万国博覧会の会場としてロンドンに建てられた水晶宮。
万博終了後は郊外のシドナムに移築されましたが焼失。
でもその敷地に世界最初の恐竜公園が残っています。
この絵本はその恐竜公園をつくったウォーターハウス・ホーキンズの物語。

ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜
[著者] バーバラ ケアリーブライアン セルズニック
[種類] 大型本
[発売日] 200..
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19世紀のロンドンで恐竜に魅入られたウォーターハウス・ホーキンズ。
彼は動物の絵を描き、模型を作るのが大好きな少年でした。
そしてついに実物大の恐竜の模型を作ることになったのです。
自分の作った模型を見てもらうために、
彼は科学者や支援者をパーティーに招待します。
なんとパーティー会場は恐竜のおなかの中。
やがてアメリカからお呼びがかかり渡米。
でもここでは制作途上に理解のない政治家によって模型を破壊されてしまうという苦い経験もします。

今でも水晶宮公園に残るウォーターハウス・ホーキンズの恐竜。
彼が愛したように世界中の恐竜好きの子どもたちも、
はるか昔の夢の世界を愛しています。

ラベル:恐竜 水晶宮
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2007年08月06日

8月6日に読みたい絵本…「原爆の火」

福岡県八女郡の星野村の平和の塔では平和の火(広島の原爆の火)が燃えています。

この火は第二次世界大戦時に星野村から広島に出征していた故山本達雄さん(2004年死去)が持ち帰ったものです。

山本さんは戦時下に入隊し、
駐屯地から毎日汽車に乗って広島の司令部に通って伝達をもらってきていました。
市街地には山本さんの叔父さんが書店を営んでいました。
早くに父親を亡くした山本さんにとっては親代わりの優しいおじさんでした。

8日6日も山本さんは汽車に乗っていました。
その車内にいたときに原爆が落とされたのです。
横倒しになった汽車から這い出した山本さんは、
叔父さんを心配し、中心部へ向かいます。
そこは地獄でした…。

8月15日、終戦となり、山本さんは星野村へ帰る前に叔父さんを探します。
やっと書店の看板を見つけ地下の倉庫に入ります。
倉庫の本は灰になっていましたが、
小さなおき火が炎を上げたので、
出征のときにおばあさんが渡してくれた懐炉にその火を移して、
故郷に持ち帰ったのです。
そして今では村がこの火を守っています。

この絵本にはこのいきさつが分かりやすく描かれています。
涙なしには読めませんが、
戦争を知らない世代に伝えたい一冊です。

原爆の火原爆の火
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 原爆の火
[著者] 岩崎 京子毛利 まさみち
[種類] 単行本
[発売日] 2000-08
[出版社] 新日本出版社

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2007年07月01日

絵本「扉の国のチコ」

黒いマントに黒い帽子の女の子。
そして扉と望遠鏡のイメージ。
魅力的な絵本の小道具です。

絵本「扉の国のチコ」。
   ↓
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=10GDGT+53DJ3M+5WS+C28PV&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F4066059%2F

上野紀子の挿絵は、
何となく60年代とか、古い時代を思い起こします。

著者は仏文学者の巌谷国士(いわやくにお)。
澁澤龍彦の友人です。

この絵本は詩人瀧口修造へのオマージュ。

ひとりぼっちの女の子、チコ。
チコは大好きな望遠鏡でひとつの扉を見つけます。
扉の向こうには何があるのか…。
読者はチコとともにシュールレアリスムの世界を旅します。



ラベル:絵本
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2007年05月28日

風景絵本…「ニッポンの風景」

風景絵本のご紹介。

「ニッポンの風景」絵+文:島田アツヒト
      ↓
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=10GDGT+53DJ3M+5WS+C28PV&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F1732123%2F

クスノキが一本ある日本のある街の変遷を時代順に追った絵本です。
モノクロのペンタッチ。
クスノキだけが彩色されています。

始まりは原野。
うさぎやたぬきがいて、鳥がいる湿地帯。

明治の初めに村が生まれ、田んぼができます。
そのうちクスノキの根元にはほこらが作られ、
人々が守っている様子が伺えます。
大正になると電気が引かれます。
昭和になると電車も走ります。
昭和40年にはついに田んぼは姿を消します。
一旦クスノキは撤去されようとしますが、
反対運動で守られます。
次々にビルが建ち、変容し続ける街。
日本のどこででも見られる風景の変遷です。

とても丁寧に描かれていて、
細部を見るのが楽しい絵本です。
田んぼに向かって苗の束をヒュッと投げる子ども。
かごめかごめをする子どもたちのそばで、
小さな兄弟を背負って見ている女の子。
道路工事で人力で土を固める人たち…。
老いも若きも、
それぞれの視線で眺め入ってしまう絵本ではないでしょうか。

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2007年05月18日

ジオラマ絵本「どこ?〜つきよのばんのさがもの」

「どこ?」はカラフルで夢いっぱいの絵本。
造形作家の山形明美さんが作ったジオラマを撮影して絵本に仕立てています。

どこ?―つきよのばんのさがしものどこ?―つきよのばんのさがしもの
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] どこ?―つきよのばんのさがしもの
[著者] 山形 明美
[種類] 大型本
[発売日] 2003-10
[出版社] 講談社

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山形さんは幼児雑誌などで人形やジオラマ製作を手がけている方らしい…。

満月の夜、家を出て行ったクロという黒猫を追って
主人公が冒険します。
夜中に起きると部屋がぐにょぐにょに曲がっていて、
キッチンといえばプールの中に沈んだみたい…。
不思議な世界の虜になってしまいます。

クロを追うとともにいろんな探しものをするようになっていて、
それが読者をさらに絵本の世界に引き付けます。
探しものが見つかるとうれしい。

とにかく作りがすごく丁寧。
うん。これは情熱を持って作られた絵本です。すごい。

親子で一緒に探しものをするのも楽しいでしょう。
大人だって真剣に探してしまいます。
っていうか、見つかるまでムキになってしまいそう…。

同じ「どこ?」シリーズでもう2冊出ています。

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2007年05月10日

「恋するひと」レベッカ・ドートゥルメール作

ワインカラーのかわいい絵本。
作者は1971年生まれの3人の子持ちのフランス人、レベッカ・ドートゥルメール。

恋するひと恋するひと
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 恋するひと
[著者] レベッカ ドートゥルメール
[種類] 大型本
[発売日] 2005-02
[出版社] 朔北社

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子どもにとって「恋」ってよく分からないもの。
「恋ってどんなもの?」って作者の子どもたちは聞くのかもしれない。
もしも子どもにそう聞かれたとき、
「恋ってこんなものよ」と見せてあげられる絵本です。

サロメという女の子をからかう男の子エルネスト。
もしかしたらエルネストはあなたに恋しているのかも、と言うサロメのお母さん。
そこで友だちがそれぞれ恋について話し始めます。
「稲妻が走るんだって」
「なにも手につかなくなる感じ?」
「恋するひとは夢にまどろむ」

エルザはサロメの言った言葉が好きです。
「恋するとひとは天使になる」
レベッカは天使の羽の一枚一枚をハートの形に描いています。

挿絵に含まれるレベッカの子どもが描いたという落書きもかわいい。
字が鏡文字になっていて。

訳者は内田也哉子さん。
内田裕也と樹木希林の娘で本木雅弘の奥さまですね。

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2007年04月25日

MAYA MAXXの「トンちゃんってそういうネコ」

絵本のご紹介です。

画家MAYA MAXXの「トンちゃんってそういうネコ」。
    ↓
https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=10GDGT+53DJ3M+5WS+C28PV&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F1076871%2F

モノクロの絵に赤い字。
日本語の下に英語も書かれています。

画面いっぱいに描かれたきじ猫の名はトンちゃん。
それは生き生きして、
作者が日々猫と一緒に生活しているから描ける絵です。
元気なトンちゃんはたくさん食べます。
食べるからには排泄もしっかり(ここのところ子どもたちに受けるんだろうな)。
自由奔放って感じなんですが、
途中で足が一つないことを知らされます。
ネズミには逃げられるし、ガールフレンドは横取りされるし
損なこともあります。
でもトンちゃんには3本の足があるから大丈夫。
あったかい草の上で寝たり、雨を見たり、
にぼしをつまみ食いしたり、
毎日猫生を楽しんでいるのです。

大らかな絵に気持ちがゆったりします。
そう、ないものねだりをしても人生はつまらない。
今あるものを喜んで生きていけば楽しいんじゃない?
みんな誰しも持っていないものばかり。
持ってないからと恨んだり、くよくよしても人生は楽しくない。
持っているものを大事にして行きましょうよっていう絵本です。

大人はこういうメッセージを受け取りながら読むけど、
子どもたちは元気なトンちゃんの
のびのびした肢体のとりこになっちゃうだろうな。



ラベル:絵本 MAYA MAXX
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2007年04月23日

九州国立博物館の絵本「じろじろぞろぞろ」

九州国立博物館が出している絵本を紹介します。

「じろじろぞろぞろ」。

じろじろ ぞろぞろじろじろ ぞろぞろ
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] じろじろ ぞろぞろ
[著者]
[種類] 大型本
[発売日] 2005-10
[出版社] フレーベル館

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桃山時代に描かれた一枚の南蛮屏風を絵本に仕立てたもの。

普通美術館に行くと、
一度にたくさんの絵を見るわけで、
どうしても情報量の多い絵は
すみずみまで見れないもの。
読み解く知識も不足しているし…。

だから絵本になったりしてるとうれしい。
この絵本は六曲の屏風絵を
とても分かりやすく面白く解説しています。

港に大きな南蛮船がやってきてます。
船の上では黒人が働き、たくさんの荷物を降ろしています。
陸に上がった南蛮人の一行は教会を目指します。
通りかかる町には陶器店や反物店などが並びます。
南蛮人に興味を持って近寄る人もいれば、
顔を白い布や扇子で覆って結界をつくる人もいます。
ぞろぞろ歩く南蛮人を興味深気にじろじろ見る日本人。

大人も子どもも楽しめるすてきな絵本です。
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2007年04月07日

ペローの「長ぐつをはいたネコ」

イタリア的な明るい色彩がきれいで手に取った絵本。
     ↓
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ペロー童話の「長ぐつをはいたネコ」です。
挿絵はジュリアーノ・ルネッリ。
イタリアのトレント生まれのイラストレーター。
オシャレな赤い長靴をはいた猫が登場します。

子どものころ、この「長ぐつをはいたネコ」という物語が大好きでした。

ある粉引き職人が亡くなり、3人の息子のうち三男がもらったのは猫だけ。
落胆する息子に猫は言います。
「袋を一つと長靴を一足ください」と。
猫は袋を使ってウサギを捕まえ、王様に「カラバ侯爵からの贈り物です」と言ってウサギを献上します。
貢物を繰り返したあと、猫は三男に王様と姫が通る道筋で水浴びをさせます。
王様の馬車が近づくと、「カラバ侯爵が水浴びをしているときに泥棒に洋服を取られてしまいました」と王様に嘘をつきます。
そうして三男と王様を合わせ、「カラバ侯爵の城」に王様を招待するのです。
猫は馬車を先導し、道で農民に会うたびに「ここは誰の土地かと王様に聞かれたら、『カラバ侯爵様の土地です』と答えろ」と脅します。
城は実は人食い鬼のものだったのですが、猫が人食い鬼をだましてねずみに化けさせたところを食べてしまって、手に入れたのです。
カラバ侯爵の城を訪れた王様は婿になってくれないかと申し出ます。
そしてめでたく三男は姫と結婚するのです。

今、読み返すと「えーっ!」、です。
嘘つきで出世のためなら手段を選ばない狡猾な猫と、
娘の結婚相手の条件は貢物をしてくれ、広い土地と城持ちであればいいという王様。
ハンサムでお金があれば、何のとりえがない結婚相手でも従順に応じるお姫様。
こんなお話が子どもにどう役立つの?
よく考えるとこんがらがって、
子どもには「こんなことをしたらだめよ」という反面教師としての猫の物語ではないのかと思うのです。

昔話は大人になった目線で読み返すと、子どものころには見えなかったものが立ち上がってきて、やっぱり面白いのです。

ラベル:絵本 ペロー
posted by 理乃 at 01:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ★絵本コレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする